南総里見八犬伝


「八犬伝」は江戸時代、戯作者滝沢馬琴によって書かれた大長編小説です。
物語は、安房の国の城主里見義実の娘「伏姫」と飼犬「八房」との間に不思議な力で八つの徳すなわち「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの玉が生れます。 伏姫の死とともにこの玉が八方に散し、やがてそれぞれの玉を持って生まれた八犬士たちが成長し苦難にに出会いながらも因縁の糸で結ばれて相会。 里見氏のために忠義をつくし、主君を守るために活躍するという、いわゆる勧善懲悪の理念に貫かれた物語。舞台も房州を中心に、関東から甲信越にまでわたって展開する。ハラハラ、ドキドキの一大スペクタクルです。
この「八犬伝」発祥の地が「富山」で富山町には今もゆかりの名所が数多く残されています。

海からの富山


海抜350m、悠々とした山容で「安房の名山」と言われる富山。その頂上は金比羅、観音の2つの峰になっており、その昔「天富命」ゆかりの地ということで「とみさん」と呼ばれるようになり、それがそっくり町名になる程昔から親しまれてきた山です。

伏姫と八房


曲亭馬琴作「南総里見八犬伝」に登場する伏姫と八房の像で、岩井駅のすぐそばにあります。地元ゆかりの彫刻家、山本正道氏の作品で、横浜、山下公園の赤い靴をはいていた女の子の像も同氏の作品です。

伏姫籠穴


富山(とみさん)中腹に位置し、伏姫と八犬が暮らしたとされる洞窟です。下の山門の近くには、八房が眠るという犬塚もあります。